随分と昔の話になりますが、32GBの容量を持つスマートフォンを購入したときに、「こんな巨大な容量を何に使うのだろう??」と思っていましたが、気がつけばいつの間にか容量不足になっていました・・・・・。
その後、買い換えたスマートフォンは128GBの容量を持ち、それまでのデータを移し終えてもスカスカのストレージ容量を見て、「これなら容量不足に悩むことはもう無いだろう」と思いましたが、既に7割以上の容量を使用している事態に・・・・・。
その当時は全然大丈夫で、不足する事態を全く考えていないのに、時間の経過と共に大丈夫ではなくなることは多く、世界中のインターネットに接続できる機器の認識番号として使われているIPアドレスも、そんな想定外になっている一つです。
現在メインで利用されているIPアドレス「IPv4」は、32ビットという32桁の2進数で形成されていて、設計当時には途方もないと考えられた約43億通りという数は、利用されるIT機器の爆発的な増加によって、既に2000年を超える頃から「このままじゃ、やばいよね・・・」が現実になってきました。
この、今となっては限られたIPアドレスの数を増やすためには、抜本的な規格の変更を避けて通ることはできず、新たに登場した規格が「IPv6」です。
この2つの規格である「IPv4」と「IPv6」は、インターネットの認証・通信方式にも大きく影響していて、トラフィックと呼ばれるインターネットの通信量の爆発的な増加に対して、快適に利用ができる技術としても「IPv6」が注目されています。
「IPv6」とは?「IPv4」との違いは何か?通信方式と併せて解説していきます。
「IPv4」「IPv6」とは何?
前文でもざっくり説明しましたが、もう少し詳しく「IPv4」と「IPv6」について見ていきましょう。
「IP」とは?
「IPv4」と「IPv6」にある「IP」とは、Internet Protocol(インターネットプロトコル)の略称です。
世界中の人々が国境を越えて利用する、インターネットの世界をスムーズに使えるようにするためには、利用する中で共通のルールが必要であり、それがインターネットプロトコルです。
インターネットは基本的に情報のやり取りですから、どの端末機器からリクエストを受けていて、どの端末機器に情報を返すのか?特定するのに必要なのがIPアドレスです。
「IPv4」と「IPv6」のIPの後ろに付いているv4とv6は、そのバージョンを表しています。
「IPv4」はInternet Protocol Version 4であり、「IPv6」はInternet Protocol Version 6になります。
「IPv4」と「IPv6」の違いは?
「IPv4」と「IPv6」はどちらもインターネットプロトコルで、その違いはバージョンの古い・新しいですが、何が違うのか?
それは、使えるIPアドレス数の違いです。
IPアドレス数の違い
「IPv4」の規格は、電話回線の時代から存在していて、文頭にも書きましたが使える機器に割り振るIPアドレス数は、32桁の2進数(32ビット)ですから、2の32乗で約43億個になります。
この値はインターネットが殆ど普及していない時代なら、ほとんど無限とも言える数値なのでしょうが、現在はインターネットが利用できる機器を、一人あたり数台は保有していると考えられるので、世界規模で見れば足らなくなるのは当然です。
この状況を打破するための新しい規格が「IPv6」で、128桁の2進数(128ビット)ですから、2の128乗(340兆)×1兆×1兆の数値になるので、事実上無限とも言えるIPアドレスが作成出来ます。
過去の例から考えると、先々のことはどうなるか解りませんが・・・どう考えても当分はIPアドレスの枯渇に悩むことは無さそうですよね。
表記の違い
一例としての、「IPv4」と「IPv6」のIPアドレスの表記の違いは、こんな感じになります。
IPv4アドレス例 132.207.58.130
IPv6アドレス例 2002:DB7::7:900:300C:418A
IPv4アドレスは、「.」ピリオドで区切った4つの数字を並べます。
IPv6アドレスは、「:」コロンで区切った数値列を8つ並べます。
上のIPv6アドレス例では、8つ並んでおらず、コロンが二つ並んでいる「::」の箇所がありますが、これは16ビットの0が複数連続していることを表記しています。
省略しない表記は、2002:DB7:0:0:7:900:300C:418A になります。
「IPv6」の接続が利用できるかはプロバイダによる
(出典:NTT東日本)
「IPv6」の接続が利用できるかどうかについては、インターネットに利用している接続業者プロバイダが、「IPv6」の接続に対応しているかどうかです。
インターネットを利用するためには、回線と接続業者プロバイダが必要で、プロバイダごとに「IPv6」接続への対応は異なっていますし、同じ回線を使っていてもプロバイダが異なっていれば、「IPv6」接続ができるケースとできないケースが出てきます。
たとえば、数多くある全ての光コラボは、回線にNTT東西の光回線フレッツ光を使っていますが、「IPv6」接続に対応している光コラボと、対応していない光コラボが混在しているということです。
「IPv6」は通信速度も速くなる?
(出典:ビッグローブ公式)
「IPv6」でIPアドレスが豊富に使えることは、一般的なインターネットの利用ではメリットを感じることはありませんが、「IPv6だから快適な通信環境!」という、光回線サービスのキャッチコピーをご覧になったことはありませんか?
「IPv4」と「IPv6」の違いによって、直接速い通信速度で快適利用・・・ということにはなりませんが、「IPv4」と「IPv6」では使える認証方式が異なることで、通信速度に大きな影響が出てきます。
インターネットが利用される時間は、一般的な仕事が終了した夜の時間帯が多く回線は混雑しますが、特にそんな時間帯では、「IPv6」のみに対応している「IPoE」の認証方式が大きな効果を発揮します。
「IPv4」接続では、この「IPoE」認証方式には対応しておらず、旧式の「PPPoE」認証方式のみにしか対応していません。
「IPv6」接続では、新しい認証方式「IPoE」だけでなく、旧式の「PPPoE」認証方式にも対応しています。
「PPPoE」と「IPoE」の違い
(出典:NTTPC公式サイト)
「PPPoE」と「IPoE」は、どちらも認証方式です。
インターネットを利用するには、その都度ごとに接続業者プロバイダに接続していて、利用しているユーザーがだれなのか?プロバイダ側に認証してもらう必要があります。
「PPPoE」
「PPPoE」はPoint-to-Point Protocol over Ethernetを略したもので、電話回線の時代からあり、LANの規格であるイーサネットに対応させた規格で、広く普及している旧い認証方式です。
「IPv4」で使う「PPPoE」の認証作業は、基本的に全ての接続に対して認証を行っているので、回線の利用量が多くなると対応が追いつかず、回線が混雑すると通信速度が遅くなることが避けられません。
「IPoE」
これに対して、「IPv6」で使う新しい認証方式の「IPoE」では、事前にユーザーの情報を登録しておくことで、都度の認証をすることなくデータの行き来が可能になり、障害になって混雑を招いていた原因が排除されることで、理論上は10倍の速度が実現します。
実際に利用できる通信速度の違い
参考までに、実際の利用者が回線速度を計測している、みんなのネット回線速度にある、直近3ヶ月に計測された27,055件件の「PPPoE」方式のフレッツ光回線、143,869件の「IPoE」方式のフレッツ光回線の測定結果から平均値を比較して、利用している通信速度の違いを見てみましょう。
「PPPoE」方式のフレッツ光回線の平均速度
平均ダウンロード速度: 188.38Mbps
平均アップロード速度: 226.45Mbps
「IPoE」方式のフレッツ光回線の平均速度
平均ダウンロード速度: 298.8Mbps
平均アップロード速度: 343.02Mbps
同じ光回線(フレッツ光)を使っても、「PPPoE」と「IPoE」では大きな違いが出ます。
新方式の「IPv6」の「IPoE」は全てを解決しない
快適なインターネット環境を利用するためには、「IPv6」接続が可能になっている接続業者プロバイダを利用して、「IPoE」認証方式を使うことでOK!・・・ということには残念ながら現状ではなりません。
インターネットを利用する状況を俯瞰してみると
ユーザー → 回線 → プロバイダ → 目的のサーバー
にアクセスして
ユーザー ← 回線 ← プロバイダ ← 目的のサーバー
という感じで使っています。
しかし、ユーザーとプロバイダが「IPv6」に対応していても、データのある目的のサーバーが「IPv6」に対応していなければ、「IPv4」と「IPv6」は互換性が無いため、「IPv6」で「IPoE」を使うことができません。
利用ができるのは、目的のサーバーが「IPv4」と「IPv6」の2つのIPアドレスを持っている場合に限られて、現状では「IPv6」に対応していないサーバーが数多くあり、2つが混在している状況と言えます。
つまり、「IPv6」接続が可能になっている接続業者プロバイダを利用して、「IPoE」認証方式を使ってアクセスができる環境を整えても、接続先のサーバーが対応していなければ、常時「IPv6」で「IPoE」認証をしていると、互換性が無いことから「IPv4」のみを採用しているサーバーへのアクセスができないことになります。
この問題を解決する技術が「IPv4 over IPv6」です。
「IPv4 over IPv6」とは?
(出典:ビッグローブ公式)
「IPv4 over IPv6」はトンネリング技術と呼ばれていて、「IPv4」に対応していないサーバーにアクセスする時に、混雑する「IPv4」を避けてデータを「IPv6」に流すものです。
しかし、「IPv4 over IPv6」を利用するためには、それに対応した(*ビッグローブの場合はMAP-E機能搭載)のWi-Fiルーター(ルーター)を使用する必要があります。
プロバイダによって対応や呼び方は異なりますが、ビッグローブ光では「IPv6オプション」と呼ばれていて、申し込む必要があるオプションですが、別途に費用はかかりません。
「IPv4 over IPv6」のメリット
「IPv4 over IPv6」の優れている点は、利用したい接続するサーバーが「IPv6」に対応していなくても、混雑していない「IPv6」「IPoE」で常に接続して利用ができるところです。
「IPv4 over IPv6」のデメリット
「IPv4 over IPv6」のデメリットは、対応しているルーターや端末などの機器が必要になる点です。(*対応するルーターは、ビッグローブ光でレンタルも可能です)
また、ネットゲームやサーバーとして公開する場合に必要になる、固定IPアドレスは利用することができません。
これらのデメリットを克服して、もっと手軽に「IPv6」「IPoE」が利用できる「NAT64/DNS64」の技術を、ビッグローブは2019年10月に固定回線として世界で初めて商用化に成功しています。
ビッグローブ光なら「IPv6」「IPoE」を手軽に利用が可能
(出典:ビッグローブ公式)
「NAT64/DNS64」は、「IPv6」に対応したサーバーへの接続は「IPoE」を使って高速な接続環境で利用することができて、「IPv4」にしか対応していないサーバーへの接続は「PPPoE」を使う技術です。
ビッグローブ光では、「IPv6オプションライト」として提供されていて、こちらも申し込みは必要ですが、別途の費用はかかりません。
「IPv6オプション」との違いは、「IPv6オプションライト」では専用の対応したルーターなどの機器を必要としないことで、気軽に「IPv6」「IPoE」を利用することが可能です。
「NAT64/DNS64」のメリット
「NAT64/DNS64」のメリットは、専用の機器が不要で「IPv6」「IPoE」の利用ができるところです。
また、ネットゲームやサーバーとして公開するなど、固定IPアドレスの利用も可能になっています。
「NAT64/DNS64」のデメリット
「IPv4」にしか対応していないサーバーへの接続は、従来の「PPPoE」の通信速度でしか利用することができません。
Wi-Fiルーターについて
「NAT64/DNS64」は、既存のルーターで「IPv6」「IPoE」を利用することができますが、それは別にして、長年同じWi-Fiルーターを利用しているなら、買い換えを検討した方が良いケースは少なくありません。
Wi-Fiルーターは比較的堅牢度が高く、簡単に故障することが少ないため、長期間に渡って同じ機器を継続利用しているケースが多いのですが、Wi-Fiの規格が時代と共に大きく変わって通信速度も向上しているため、時代遅れのスピードになるボトルネックに、長年利用しているWi-Fiルーターがなっている可能性があります。
規格名 | 新名称 | 周波数帯 | 最大通信速度 | 電波干渉 | 障害物 |
IEEE 802.11ax | Wi-Fi 6E | 2.4GHz | 9.6Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
6GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11ax | Wi-Fi 6 | 2.4GHz | 9.6Gbps | 弱い | 強い |
5GHz | 9.6Gbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11ac | Wi-Fi 5 | 5GHz | 6.9Gbps | 強い | 弱い |
IEEE802.11n | Wi-Fi 4 | 2.4GHz | 600Mbps | 弱い | 強い |
5GHz | 600Mbps | 強い | 弱い | ||
IEEE802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | 弱い | 強い | |
IEEE802.11a | 5GHz | 54Mbps | 強い | 弱い |
「NAT64/DNS64」を利用するなら、特に「IPv4 over IPv6」に対応したWi-Fiルーターは必要がありませんが、本来の早い通信速度を利用するためには、長年同じものをずっと使っているなら、Wi-Fiルーターを新しいものに交換するのが最適です。
コスパ良く「ビッグローブ光」を利用するには?
(出典:ビッグローブ光申込サイト)
老舗のプロバイダであるビッグローブが提供しているビッグローブ光は、新しい規格「IPv6」「IPoE」で高速な通信環境を利用することができる、全国を幅広くカバーしているNTT東西の光回線フレッツ光を使う光コラボです。
ビッグローブ光の月額料金は、マンション集合住宅4,378円・一戸建て住宅5,478円です。
ビッグローブ光は、KDDI傘下のビッグローブ株式会社が提供していますので、同社が提供しているスマホプランのau・UQモバイルと併用することで、毎月のスマホ代が割引される「セット割」が適用されます。
ビッグローブ光をコスパ良く利用するためには、家族の分まで含めて毎月スマホ代が割引される「セット割」を活用することで、通信費トータル費用は節約が可能になり、安価な月額料金で利用することができる、UQモバイルを使うのが最適です。
サブブランド「UQモバイル」
(出典:UQ mobile公式サイト)
auのサブブランドである「UQモバイル」は、auと全く同じ回線・電波を利用するため、高速な通信環境を安価な月額料金で使うことができます。
光回線のビッグローブ光と、auのサブブランドであるUQモバイルを併用する事で、スマホ1台につき最大毎月1,100円のセット割が10契約まで適用が受けられます。
トクトクプラン | コミコミプラン | ミニミニプラン | ||
1GB未満 | 15GB | 20GB | 4GB | |
月額料金 | 2,277円 | 3,465円 | 3,278円 | 2,365円 |
セット割 | 1,100円 | 1,100円 | 0円 | 1,100円 |
割引後 | 1,177円 | 2,365円 | 3,278円 | 1,265円 |
自宅に光回線が利用できる環境があれば、最もインターネットを利用するケースが多い自宅でのスマホ利用では、契約しているスマホプランのギガを消費しません。
ギガ消費は外出時にWi-Fiが利用できない場所に限られ、多くのスマホユーザーが消費するデータ容量は月に3GB未満になるケースが多くなります。
そのため、UQモバイルのプランでは、月に4GBが利用できる「ミニミニプラン」が最適で、セット割を活用すれば月額1,265円で利用することができます。
家族3人で利用した場合の、通信費トータル費用をシミュレーションしてみましょう。
ビッグローブ光 | UQモバイル | 家族 | 合計 | |
マンション | 4,378円 | 1,265円 | 3人 | 7,986円 |
戸建て | 5,478円 | 1,265円 | 3人 | 9,086円 |
*auPAYカードで支払う場合
通信費トータル費用は、マンション利用で7,986円・戸建て利用で9,086円になり、コスパの良さは抜群です。
キャッシュバックキャンペーン
今なら、ビッグローブ光を新規契約すると、キャッシュバックが受け取れるキャンペーンが行われています。
工事費無料キャンペーン
光回線を導入する場合には、導入工事費が発生します。
ビッグローブ光の導入には最大で28,600円の標準工事費がかかりますが、今なら工事費が実質無料になるキャンペーンを行っています。
引っ越し移転時の工事費用が無料
将来引っ越しをする場合、引っ越し先でも光回線の導入工事は必要であり、工事費用もその都度かかります。
転勤族の方や引っ越しする予定がある方にも、ビッグローブ光がおすすめです。
ビッグローブ光では何度引っ越しを行っても、その都度必要になる工事費が無料になっています。
日本の光回線で最も提供エリアが広く、最も多くのマンション集合住宅などの建物に導入されている、フレッツ光を使う光コラボのビッグローブ光なら、引っ越し先でも安心してコスパ良く利用することができます。