MNP(モバイルナンバーポータビリティー)をご存じですか?
携帯電話・スマホのマーケットにおいて、正当な競争を促して料金を下げさせたい国(総務省)と、ユーザーを囲い込んで横並びの価格を維持したい通信会社は、幾度も綱引きをしています。
しかし、公共の財産である電波を使って商売をするには、国の認可が必要であり、この勝負はおしなべて国が有利です。
そのため、通信会社によるユーザーの囲い込みのために機能していた制度は、現在ではその多くが廃止されました。
MNPは使っている電話番号をそのままで、別の通信会社に乗り換えられる制度です。
今では当たり前になっていますが、以前の携帯電話が主流の時代には、通信会社を乗り換えれば電話番号は変更するしかなく、そのことが乗り換えの大きな障壁になっていました。
MNPの制度がスタートしたのは2006年10月からで、それから20年近い歳月が経過する中で、ユーザーにとってはさらに便利で簡単に乗り換えが可能になっています。
そのキーワードになっているのが、「ワンストップ」と「eSIM」です。
何となく聞いたことはあるけど、詳しくは知らない方が多い「ワンストップ」と「eSIM」についてご説明をして、便利になったMNPについて解説します。
MNPの基本
(出典:総務省)
MNPとは、Mobile Number Portabilityを略した呼び方で、日本語訳をすれば「携帯電話番号の持ち運び」になります。
利用している電話番号を、乗り換え先の通信会社でも利用することを考えれば、使っていた通信会社と乗り換え先の、2つの通信会社が関係してくるのは明白です。
そのため手順としては、利用している通信会社に「電話番号を持って別会社に乗り換える」旨を連絡して、その後に乗り換え先の通信会社に、「以前使っていた××通信会社の電話番号を、御社の契約をして利用したい」旨を伝えて契約する必要があります。
内容としてご説明するならこうなりますが、実際に行うMNPは「予約番号」が使われていて、システマチックになっていて簡単です。
この予約番号を新たに乗り換える通信会社が参照することにより、どの通信会社で電話番号は何番という情報が解るようになっています。
MNPの手順
1.利用している通信会社から「MNP予約番号」を収得する
2.乗り換え先の通信会社に「MNP予約番号」を伝えて、新たに契約を行う
MNPの手順としては、たったこれだけです。
MNP予約番号は10桁の数字で、15日間の有効期限があります。
有効期限には収得日も含まれていて、乗り換え先の通信会社によって必要な有効期限の残り日数(概ね7日から10日以上)は異なっています。
早めに乗り換えは行った方が良いのですが、仮に有効期限が過ぎてしまっても、特別な手続きは必要無く消滅しますし、再度予約番号を収得することも当然可能です。
この手順は、MNPのツーストップ方式と呼ばれています。(現在では、後述するさらに合理的なワンストップ方式があります)
MNP予約番号の収得先と方法
MNP予約番号は、オンラインでも収得可能になっています。
電話やショップ店頭でも申し込みは可能ですが混み合うことも多く、MNP予約番号収得時には、結構な高確率で引き留められますし、乗り換え先についても聞かれますが、答える必要は基本的にありません。
通信キャリア4社のMNP予約番号の収得先については、以下の通りです。
ドコモでMNP予約番号収得
MNP予約受付窓口 | 受付時間 | |
携帯電話 | [ドコモの携帯電話から] 151(無料) | 9:00~20:00 |
一般電話 | 0120-800-000 | 9:00~20:00 |
Web | My docomo → 契約内容・手続き → よく利用される項目 → ドコモオンライン手続き | 9:00~21:30 |
店頭 | ドコモショップ | 店舗によって異る |
auでMNP予約番号収得
MNP予約受付窓口 | 受付時間 | |
携帯電話・一般電話 | 0077-75470(無料) | 9:00~20:00 |
Web | ■携帯電話 | 9:00~20:00 |
Ezweb TOP → auお客様サポート → 申し込む/変更する → 携帯電話番号ポータビリティ(MNP) | ||
■スマートフォン・パソコン | 9:00~20:00 | |
My au TOP → スマートフォン・携帯電話 → ご契約内容/手続き → お問い合わせ/お手続き → MNPご予約 | ||
店頭 | auショップ / トヨタ au取扱店(一部除く) | 店舗によって異る |
ソフトバンクでMNP予約番号収得
MNP予約受付窓口 | 受付時間 | |
携帯電話 | *5533 | 9:00~20:00 |
一般電話 | 0800-100-5533 | 9:00~20:00 |
Yahoo!ケータイ | TOP → My Softbank → 各種変更手続き → MNP予約関連手続き | 9:00~20:00 |
Web | My Softbank → モバイル → サポート → 料金・ご契約関連 → ご契約内容の確認・変更 | 9:00~20:00 |
店頭 | ソフトバンクショップ | 店舗によって異る |
楽天モバイルでMNP予約番号収得
MNP予約受付窓口 | 受付時間 | |
Web | my 楽天モバイル→ 契約プラン → その他のお手続き → 各種手続きへ進む → 他社へのお乗り換え → MNP予約番号を発行する | 24時間 |
MNPの注意点は?
MNP予約番号の有効期限の注意点については前述の通りですが、他の注意点や疑問点については以下の通りです。
MNPのキャンセルは可能か?
MNPの予約番号だけ収得しても、何もしなれば期限がきます。
従来使っていた通信会社との契約は継続されて、以前と同様に利用することができます。
いつから古い通信会社は使えなくなる?
新しい通信会社でSIMの設定を行い、開通手続きを行うまでは、古い通信会社を利用することができます。
メールの受信や、iphoneの場合ではプロファイルのダウンロードも必要になるので、Wi-Fiが利用できる環境を用意しておく方がスムーズです。
古い通信会社の解約手続きは?
MNP予約番号を発行して乗り換える場合、古い通信会社の解約手続きは不要です。
新しい通信会社の契約が完了して開通手続きを行えば、自動的に古い通信会社の契約は解約されます。
引き継がれるのは電話番号だけ
MNPによって情報が引き継がれるのは電話番号だけで、新しい通信会社との契約には、本人確認書類や住所氏名支払い方法などの個人情報は伝える必要があります。
MNPの「ワンストップ」方式とは?
(出典:総務省)
よりMNPが簡単に行えるように、MNPの「ワンストップ」方式が2023年5月24日からスタートしました。
乗り換え先の手続きだけでOKに
(出典:KDDI)
MNPの「ワンストップ」方式とは、従来のツーストップ方式では必要だった、利用している通信会社での予約番号の発行が不要でMNPが行える制度です。
新しく乗り換える通信会社の手続きだけで、予約番号の有効期限も気にする必要が無く、現在利用している電話番号を継続して利用ができるようになり、利便性が大きく向上しています。
ワンストップ方式が使えるのはオンラインのみ
ワンストップ方式でMNPが行えるのはオンライン手続きのみで、ショップ店舗でMNPを行う場合は、従来のツーストップ方式でMNP予約番号が必要になります。
ワンストップ方式に対応している通信会社でオンライン契約を申し込むと、現在利用している通信会社のマイページへのログインを促されて、重要事項の説明が表示された後に手続きを進めていきます。
ワンストップ方式が使える通信会社は限られている
通信会社はキャリアの4社(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)以外に、格安SIMは令和5年に総務省が発表している「通信市場の動向について」によると数千社があると思われ、その全てがMNPワンストップ方式に対応しているわけではありません。
大手キャリアは既に対応していますが、格安SIMにワンストップ方式が広がっていくのはこれからという状況です。
具体的に見てみましょう。
ワンストップ方式に対応しているMNO(キャリア)
ワンストップ方式に対応しているMVNO(格安SIM)
センターモバイル
LPモバイル
ワンストップ方式に対応予定のMVNO(格安SIM)
IIJmio(令和6年3月頃開始予定)
イオンモバイル(令和6年5月下旬開始予定)
NUROモバイル(令和6年6月13日開始予定)
ビッグローブモバイル(令和6年7月10日開始予定)
J:COM MOBILE(令和6年度上期開始予定)
「eSIM」とは何か?
(出典:UQモバイル)
「eSIM」について知る前に、SIMとは何か?確認しておきましょう。
そもそもSIMとは何か?
SIMとは、本来スマートフォンの中に挿入して使う小さなチップです。
SIMの中には、スマホプラン契約の内容や電話番号のデータが入っていて、スマートフォンはSIMの情報を読み取って、そのスマートフォンからの発信する電話はSIMの情報にあるこの番号で、この番号への電話を着信させる、インターネットを利用する時には、SIMの情報にある回線に接続が指示されて行われます。
スマートフォンの中に有効な契約のあるSIMが無い場合には、電話の発信受信はできませんし、Wi-Fiを利用しなくてはインターネットに接続することもできません。
逆に新しいスマートフォンや他人のスマートフォンでも、自分のSIMを使用すれば、自分の電話番号で電話が可能ですし、自分の契約プランのギガでインターネットを利用することも可能です。
そのため、MNPで通信会社を乗り換えても、新たな契約プランが書き込まれたSIMをセットすることで、既存のスマートフォンでも新しいスマートフォンを入手しても、自分のスマートフォンとして利用できるようになります。
「eSIM」と通常のSIMとの違いは?
通常のSIMは上図のように、標準SIMからnanoSIMまで3種類のサイズがあります。
携帯電話の時代は標準SIMを利用していましたが、より小さく軽くの時代のニーズに伴い、現在のスマートフォンで利用するSIMのサイズは、縦12.3mm・横8.8mmの小さなnanoSIMが主流になっています。
「eSIM」には物理的なサイズというものが無く、これが通常のSIMとの最も大きな違いです。
つまり、取り出したり挿入したりする、実態のあるSIMは「eSIM」には存在していないということです。
もう少し踏み込んだ言い方をするなら、「eSIM」が利用できるスマートフォンの中には、ユーザーがスマートフォンを使って書き換えが可能な、SIMチップが内蔵されているとお考え下さい。
ワンストップMNPと「eSIM」は相性抜群
オンライン手続きに限られている、「ワンストップ」方式のMNPと「eSIM」は相性抜群の組み合わせで、MNPの利便性を飛躍的に向上させます。
オンライン手続きで簡単にMNPは行えても、実際に新しい通信会社の利用ができるのは、数日後にSIMが発送されてくるのを待つしかありませんでした。
「eSIM」を利用することで、オンラインでMNP契約をすれば、直ぐに手元のスマホで新しい通信会社のプランが利用できるようになります。
以前なら即日でMNPを行うためには、事前にMNP予約番号を入手した上で、混み合うショップの予約をとり出向いて、新しいSIMができてくるのを待つ必要がありました。
それが、「ワンストップ」方式と「eSIM」で、自宅のオンラインで即日MNPが完結します。
「eSIM」のメリットとデメリット
「eSIM」の大きなメリットは、オンライン手続きでMNPが簡単に行える以外にもあります。
デメリットも併せて見てみましょう。
「eSIM」のメリット
挿し替える手間が無くなる
SIMは極めて小さいもので、記録情報が入っている金色のチップが剥き出しになっているため、取り扱いには慎重にならざるを得ず、慣れていない方には手間ですが、「eSIM」なら物理SIMの挿し替えが必要無く、その心配がありません。
故障やトラブルが少ない
小さなSIMは、僅かな不注意で紛失してしまう可能性があります。
また、SIMの入れ方を間違えた場合、スマートフォンやSIMの破損するリスクがあります。
「eSIM」は破損やトラブルのリスクが極めて少ないと言えます。
「eSIM」のデメリット
対応している通信会社は限られる
MNPの「ワンストップ」方式と同様に、大手通信キャリアでは対応していますが、「eSIM」に対応している通信会社は現状限られています。
対応するスマホが必要
比較的新しい時期に入手したスマートフォンなら、認識していないだけで「eSIM」が利用できる機種の可能性があります。
eSIMが利用できるスマホは、通常のSIMとeSIMの両方が利用できることが大半です。
「eSIM」に対応していない機種では利用ができず、対応した新しいスマホを入手する必要があります。
Wi-Fiなどの別回線か別端末が必要
「eSIM」を使える様にするための手順として、プロファイルのダウンロードかQRコードを表示させる別の端末(スマホ・タブレット・パソコンなど)が必要であり、Wi-Fiなどでインターネットに接続できる環境が必要になります。
MNPで「eSIM」を開通させる手順
通常の物理SIMでは差し込んでからAPN設定等を行いますが、「eSIM」では異なる手順で開通させます。
詳細については、契約する通信会社からメールで届きます。
MNPでeSIMを開通させる手順を、簡単にご紹介します。
iphoneの場合
webサイトか電話で、「回線の切り替え」を行う
eSIMプロファイルをダウンロード
eSIM切り替えを行う
他社で使用していたAPNプロファイルがあれば削除
Androidの場合
webサイトか電話で、「回線の切り替え」を行う
eSIMプロファイルをダウンロードまたは、QRコードを読み取る
アクセスポイント(APN)の設定
eSIM切り替えを行う
MNPにおすすめな「ワンストップ」「eSIM」対応の乗り換え先は「UQモバイル」
(出典:UQ mobile公式サイト)
2024年2月現在で、「eSIM」「ワンストップ」に対応しているMNPの乗り換えは、大手通信キャリアが中心になりますが、コスパを考えれば「UQモバイル」がおすすめです。
auのサブブランドのUQモバイルは、KDDIが運営しているMNOであり、キャリアのauと同じ通信品質が安価に利用できます。
トクトクプラン | コミコミプラン | ミニミニプラン | ||
1GB未満 | 15GB | 20GB | 4GB | |
月額料金 | 2,277円 | 3,465円 | 3,278円 | 2,365円 |
UQモバイルをコスパ良く使うには「セット割」の適用
UQモバイルには、無制限プランが用意されていません。
小容量プランの利用に、メリットが大きいスマホプランです。
UQモバイルのメリットを最大限に活用して、コスパよく利用するためには、自宅にUQモバイルの「セット割」に対応している光回線を導入して、併用することが最適です。
自宅に光回線が導入されてWi-Fiが使える環境にあれば、自宅でスマホプランの契約しているギガを消費することが無くなり、多くのユーザーは月に3GB程度のギガで賄えます。
UQモバイルのプランでは4GBのミニミニプランが最適で、セット割を適用すれば格安SIMと遜色無い月額料金(1,265円)で利用できます。
トクトクプラン | コミコミプラン | ミニミニプラン | ||
1GB未満 | 15GB | 20GB | 4GB | |
月額料金 | 2,277円 | 3,465円 | 3,278円 | 2,365円 |
セット割 | 1,100円 | 1,100円 | 0円 | 1,100円 |
割引き後 | 1,177円 | 2,365円 | 3,278円 | 1,265円 |
既に光コラボを利用中なら「事業者変更」で簡単に乗り換えられる
(出典:NTT東日本公式)
ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなどの、NTT東西の光回線フレッツ光を使用する「光コラボ」を既にご利用中の場合、そのまま継続利用すればUQモバイルのセット割は受けられませんが、UQモバイルにセット割が適用される他の光コラボに乗り換えることで、コスパ良く通信費トータル費用を節約することが可能です。
光コラボを利用中で他の光コラボに乗り換えるには、簡単な「事業者変更」の手続きだけで可能であり、新たな回線の導入工事も必要無く、インターネットが利用できない期間も生じません。
具体的な手順としては、利用中の光コラボに連絡をして「事業者変更承諾番号」を入手、乗り換え先の光コラボに入手した番号を伝えて契約します。
UQモバイルにセット割を適用させる光コラボは「ビッグローブ光」がおすすめ
(出典:ビッグローブ光申込サイト)
UQモバイルのセット割が適用される光回線サービスとして、光コラボの「ビッグローブ光」がおすすめです。
UQモバイルやauを運営するKDDIのグループ企業で、数多くのノウハウを持つ老舗プロバイダのビッグローブ株式会社が運営しています。
ビッグローブ光の月額料金は、マンションタイプ4,378円・一戸建てタイプ5,478円です。
キャッシュバック
ビッグローブ光では代理店契約で、キャッシュバックキャンペーンを行っています。
キャッシュバック特典の詳細は、以下をご覧下さい。
工事費無料キャンペーン
光回線の新規導入には、工事が必要で工事が発生します。
ビッグローブ光の導入には最大で19,800円の標準工事費がかかりますが、今なら工事費が実質無料になるキャンペーンを行っています。
引っ越し移転時の工事費用が無料
ビッグローブ光では何度引っ越しを行っても、その都度必要になる工事費が無料になっています。